微生物には非常に様々なものが含まれ、その生活も様々である。植物的に光合成しているもの、菌類的に有機物を分解するもの、動物的に他の微生物を補食するもの、あるいは大型動物と寄生や共生の関係にあるもの、また微生物間での寄生や共生も知られる。それらは我々の目に触れないところで行われるため、詳細は未だ判明しない部分が多い。しかし全体としてこれらの生物の活動は肉眼的に変化をもたらすこともある。
たとえば食物を放置しておくと、カビや細菌類が繁殖し、その結果として食物は変質して食べられなくなる。この変化を腐敗といい、微生物が原因といわれるが、そこに出現する微生物の種は多様で、それぞれに生活も異なるから、どれが原因で何が起きたのか、あるいはそこにいるすべての微生物にその責任があるかははっきりしない。我々はそれが区別できないためにそれらをすべてまとめて微生物の働きで腐敗が起きたと考える。しかし、これは有機物を食べて体内で分解して無機物とし、残りを排出するという点で我々の生命活動とさほど変わらないものである。自然界の死んだ有機物塊は彼らの働きによって次第に無機物に変わってゆくが、この過程を分解といい、自然における浄化力の源と考える。実際には腐敗もこの過程のひとつにすぎない。そこで自然界における微生物の働きを分解者と呼ぶ。実際にはその中での生物間の諸関係があることは重要であるが、それらをブラックボックスに閉じこめての命名といえる。なお、腐敗の具合によっては特殊な成分を生じて食べられたり、何か利用可能なものができたりする例もあり、その場合には腐敗といわずに醗酵といっている。
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大型生物の体の表面や、体内に生活するものも多く知られる。それらの多くはその生物と何らかの関係を持って生活している。一部のものは、繁殖するとその生物の生活に悪影響を与えそのようなものは病原体と言われる。微生物の研究は病原体研究を元に発展したような面があり、そのため菌は危険なものとの認識もあるが、大型動物に寄生し、しかもその生態防御システムをかいくぐって侵入繁殖し、しかも有害な働きをなす、というのは極めて特別な能力を持った生物にのみ可能なことである。ただし表皮が傷ついた場合、体表の防御を通らずに体内に微生物が侵入するので、微生物が繁殖することは簡単である。いわゆる膿はその状態で体内の生体防御が働いている状況で生まれるものである。
実際には大型生物は微生物にまみれて生活し、普段は気がつかないままに互いに影響を与えあって生活している。腸内には腸内細菌、あるいは腸内微生物といわれる独特の生物群があり、それらは消化や健康とも深い関連を持っている。なお、これらの微生物には大型動物に利益をもたらす面も害をなす面もあるが、どちらが大きいのかについては不明である。出産時から人工的な管理下におき、一切の微生物を排除した動物(無菌マウスなど)を作ることが可能であるが、その場合、寿命が普通個体よりも長いので、総計すれば害の方が大きい、との説もある。